最近のマイブーム 針の修理
とはいっても、「針の修理」とはなんぞや?
それは、これっす

レコードプレイヤーですね。
まあ私ももともとレコード世代ですので、レコードにはなじみはあったのですが。
とはいっても、レコードに興味を持ったのが、高校生ぐらいの頃だったので、機材も親のお仕着せのシステムコンポ。
ちなみに両親は音楽マニアではあったけど、オーディオマニアではなかったので、なんちゃってステレオセットで満足していたので、私もそれほどレコードに、オーディオに熱を上げてはいなかったのです。お金もなかったしね。
で、年をとって、「ドフ」回りをするようになって、アンプだけでは足りず、とうとうレコードプレイヤーを手に入れてしまってね。もちろんジャンクですので修理前提ですけどね。
で、当然レコードプレイヤーに必要なカートリッジを各種手に入れるわけですね。
例えばこういうカートリッジ

これはオーディオテクニカのMV型の当時のフラグシップ「AT150e」なんですが
当時の定価も結構しますが、中古市場でもそこそこのお値段でして。
しかし、まあやっぱり私の趣旨として当然修理して使うというわけで、壊れた、カートリッジ的には針が欠損している物とかが対象で、手に入れて修理を楽しむ流れとなります。故障品ならば高級機種も安く手に入りますしね。
で、今回はコイツ

オーディオテクニカの「AT32」です。
コイツはMC型と言いまして、針が交換できないタイプのカートリッジです。

はい、見事に針が飛んでますね。
このカートリッジの場合、針よりもカンチレバーに価値があります。カンチレバーの素材がベリリウムなんですね。ベリリウムはその製造過程で有毒物が生産されるので、現在は使用されなくなりました。で、希少なのです。
さて、針の移植です。
オリジナルは「楕円針(0.3×0.7mil)」のムクダイヤですので、もちろんオリジナルに合わせたいのですが。残念ながら接合タイプしか入手できませんでした。コレです。

さて、針の移植ですが、針の移植とは言っても皆さんはその困難さが想像できないことでしょう。すごく微細な、ファインな作業になるのです。参考までにこの写真

これは、sureの針でM97xEと髪の毛の比較写真です。参考までに。
針の大きさがわかりますでしょう。
こんなものは裸眼では修理できません。で、コイツ

実体顕微鏡のお出ましです。コイツで

こんな冶具で固定して

こんな感じで操作しつつ修理します。
実体顕微鏡って、一家に一台必要ですよね。微細な集積回路のはんだ付けとか前から欲しかったんですよね。
やっぱコイツがなきゃこんな修理はムリゲーです。
で、どんな修理をしたかと申しますと

先端に針の部分だけ接着です。
方向をきちんと合わせるのが難しかったですね。楕円なんで・・。
ちなみに接着は微量のロックタイトで仮止めし、UVクラフトレジン液で固定です。

うむ、いい感じで鳴っています。
とりあえず成功です。
さて、ここで初めの話に戻りますが。レコードって、きちんと扱い再生すればスゴクいい音で鳴ります。高校生の頃のしょぼいシステム(プレーヤー)では解りませんでした。
でも、うまく鳴らすのは難しいです。レコードの洗浄、カードリッジの品質、その他、大変です。
でも難しいから面白い。